判事100人増員で加速する移民裁判所
シラキューズ大学のTRAC(Transactional Records Access Clearinghouse)のデータによると、2023~2024会計年度において移民裁判所の事件処理が以前より早く進んでいるようです。新型コロナウイルス感染症のパンデミック期、移民裁判所では判事不足のため保留案件が300万件を超える事態となっていましたが、このたび判事が100名以上増員されたことで、処理件数が50%ほど増加しています。今後このペースが続くか注目されています。
2023~2024会計年度の最初の3ヶ月に処理された件数は約20万件で、1年前の同時期の約13万2千件と比べると50%近い伸びを示しています。1ヶ月あたりの処理件数は以前の4万件から6万件以上に増えた計算になり、このペースが続けば2022~2023会計年度に処理された67万2,671件を大きく上回る可能性があります。
しかし、2023年12月現在、移民裁判所に保留中の事件は約328万7,058件で、過去最高水準を更新し続けているため、これらがどの程度解消されるかはまだ未知数です。
今会計年度に完了した約20万件のうち、約35.1%が退去(強制送還)または自発的出国の命令を受けています。退去命令を受けた件数は6万3,953人で、国籍別ではホンジュラス(1万2,204人)が最多、続いてグアテマラ(1万414人)、メキシコ(8,325人)、ニカラグア(5,499人)、コロンビア(4,451人)の順でした。韓国籍は14人が退去命令、6人が自発的出国となっています。退去命令が下った事件では、弁護士を雇用していたケースは全体の15.9%にとどまりました。
移民裁判所の所在地別では、テキサス州ハリス郡が1万1,503件で最も多く、次いでカリフォルニア州ロサンゼルス郡の1万20件、フロリダ州マイアミ・デイド郡の5,484件、ニューヨーク州クイーンズ郡の4,739件、同キングス郡の3,935件が続きます。
(出典:キム・ウンビョル記者)