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予算調整を通じた書類不備者救済法案が下院を通過

質問:今日下院を通過した予算調整法案には何が含まれていますか?
回答:米国下院は「Build Back Better(BBB)」法案を可決し、上院に送付しました。これは予算調整パッケージの一つであり、700万人の書類不備(不法滞在)者に対して「パロール(parole)」を通じた一時的な救済策をはじめ、使用されなかった就労ベースのグリーンカード枠の再利用や、多様性ビザ(DV)抽選当選者が従来の期限を過ぎても申請できるようにする条項などが盛り込まれています。

「パロール」救済策によって、2011年1月1日以前に入国し、現在ステータスを失っている人はパロールを取得し、強制退去のリスクから解放され、一定の条件下でグリーンカードを申請する機会を得ることができます。現時点で連邦上院の法務顧問であるエリザベス・マクドノー(Elizabeth MacDonough)は、この提案について意見を示していません。

パロールを受けた場合、たとえ不法入国(密入国)であったとしても、正式に「入国許可(admission)」を得たと同等の扱いとなり、近親者(immediate relative)カテゴリーであれば、米国内でグリーンカードを申請できるようになります。これは軍人家族に与えられる「Parole In Place(PIP)」と似た恩恵です。また、ビザで合法的に入国したもののステータスを失った人々も、このパロールを取得することで「滞在資格(lawful presence)」を得ることができるようになります。

さらに、長期間ステータスを維持してきたものの最近になってステータスを失った場合は、「245(k)」の適用を受けることで就労ベースのグリーンカードを申請できる可能性もあります。米国移民法245(k)条項は、入国後の不法滞在期間が6ヶ月未満であれば、就労ベースによる永住権申請(AOS)を許可するものです。ただし、この機会は就労ベースのグリーンカード第一段階(労働認定、いわゆる「LC」)を完了している人に限定されます。


質問:この法案が上院を通過する見込みはどの程度でしょうか?
回答:上院ではウェストバージニア州選出のジョー・マンチン(Joe Manchin)上院議員が反対の意向を示しており、可決の見通しは不透明な状況です。もう一人の反対が予想されていたアリゾナ州選出のキルステン・シネマ(Kyrsten Sinema)上院議員は、今のところ反対意見を表明していません。上院は民主党50名と共和党50名で拮抗しているため、予算調整による可決には民主党側から一人も離反が出ないことが前提となります。

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